今回はCG成分がメインの話。

マシュマロマンの次にちまちまモデリングしてて、
過去のブログで焦らして何度かチラ見せしてきたものの正体はこれですよ。
BPR_Render_comp2
BPR_Render_comp_naname
BPR_Render_comp_front1
BPR_Render_comp_back
ジャイアントロボ・・・ではなく
【ツタンカーメンの黄金のマスク】です。
チラ見せしていたパーツは頭部の飾り部分でした。この部分ね。
BPR_Render_comp_acce

ここまで載せた画像は全てZbrushでBPRレンダーしたものをPhotoshopで加工したものです。
このような画像を全部レイヤーで取り込み、作っておいたアクションで1枚に合成しました。
BPR_Render
私の知る限り、Zbrushのレンダリングでは鏡面反射はできません。
3dsMaxだと可能なのですが、MAXではZbrushほど大量のポリゴンは扱えないのでインポートを断念し、
Photoshopでなんとなくそれっぽくなるように加工しました。どうですかね?

ツタンカーメンの黄金のマスクについて。
エジプトで1922年に12代目ファラオの墓から発掘された誰もが知っている非常に美しいマスクです。
本物は重さ11kg、23金で作られていて、表面には銀を混ぜた18金~21金を薄く塗ってあるそうです。
そしてなんと現在の価値は300兆円!!!
この前職員が折って話題になったアゴ髭部分だけでも数兆円の価値がありそう。
頭にある飾りのハゲワシは神の使者、コブラは守り神の意味があるそうです。 

造形的特徴。
正面付近からの写真が多いので側面から見たこと無い方が多いと思います。
実はこのマスク、かなり奥行きのある形状をしています。
BPR_Render_comp_side
そしてまっすぐに配置した状態で見ると顔が少し上を向く状態になっています。
よく見かけるスチール写真では顔が正面になるよう撮る角度を調整したものが多いですね。
こんな感じの角度のほうが馴染みがあるのではないでしょうか。
image24

あと気付いた特徴として、
この少し上を向いている顔、なんと目の向きだけはちゃんと正面を向く角度になっています。
Tutankhamun
非常に面白いですね。

Zbrushでの造形。
これまで同様、Zbrushを使ったデジタル造形で作り上げました。
以前も書いたようにCGに関しては特殊なことはしていないので書いても面白くありませんが
今回得たノウハウを自分用のメモとして簡単に。

・3dsMAXで基本のローポリ形状をUV付きで作成
・Zbrushにインポートしてスカルプト
・形状に沿った溝や模様を作る手順
①溝になる箇所を適当にポリペイントし、それをUVテクスチャーとして書き出し
②イラレ等2Dソフトで綺麗に調整したUVテクスチャーを再び読み込んでモデルに適用
③テクスチャーをポリペイント化→マスク化→ポリグループ化の順番で加工したいポリグループだけ表示してinflate等で凹凸を付ける
・ポリグループの境目を綺麗にするにはedgeloop
・Dynameshのブーリアンでパーツを一体化
・Zbrushと3dsMAXの間でやり取りする時は3Dprintexporterからのobj書き出しを使わない(中心がずれてしまうため)
・もし中心点がずれてしまった後にZbrushで左右対称の加工をしたい時はLocalSymmetryをon
・3Dprintexporterのサイズ値とGeometry/sizeの値は合わせておくべし。

細かい箇所が多く、造形しているうちにポリゴン数が尋常でない数に膨れ上がり、メモリがオーバーすることも多々ありました。
完成するまでちょっと変更して別バージョンとして保存。を繰り返し、最終的には250以上のバージョン違いのファイルが存在します。
ハードディスクを圧迫しますが、後戻りできないDynameshやブーリアン前の状態を保存しておくとすぐに前状態に戻ることができて便利なのです。
ちなみにバージョン3の時はこれ。
ver3
誰ですかこれ?
まだまだ酷い状態の時を晒すのは恥ずかしいですねw 

このマスクの形状は、金色でピカピカしているせいで探してくる資料はどれも反射しまくってます。
なので形状把握は非常に難しく、pinterestで参考画像をこれでもか!とかき集めてなんとか形状を確認しました。
その中にはわざわざ反射を抑えて撮影されているこんなものもあり助かりました。
253c55f92a9dca120bc78e207c9af13b 
しかし反射がないと印象がガラッとかわりますね。 

個人的に苦労した箇所は口周りの形状で、このマスクは口がもの凄く特徴的でここが変だと全体に違和感が出てきます。

あと、背中に書かれているいわゆる「ヒエログラフ」という古文字にも苦労しました。
これは有名な「死者の書」の一部だそうですが、あれこれ資料を探しても正確に記述されているものがなく、難儀しました。結局一部は再現できてません。 
BPR_Render_comp_hiero
こんな感じでモデルデータは完成しました。さぁて無事プリントできるのでしょうか。
今までの経験上、一筋縄ではいかないでしょうね。
過去作に比べ、圧倒的な量のディテールが問題になってくると踏んでいます。
なんとか完成までお付き合いください。

そういえば、ネットを探すと、私同様マスクの美しさに魅了されたのか自分で作ろうとしている方が数人いました。
残念ながらお二人ともまだ完成には至っていないようです。